春、わかものたちへ

2010-02-21

今回、わたしの外来の10代~20代の若者におこなった、『学校に何を期待しますか?(期待していましたか?)』のアンケートを終え、感想をまとめました。

まず、回答のなかで、15歳~18歳のこどもでは、『別にないです』、『特にないです』という回答が圧倒的だったことが印象的でした。 それに比べて19歳~29歳の若者では後半になるにつれて、学校や職場への期待値が高くなる傾向がうかがえました。 人の愛情と怒りには表裏一体の関係があると言われていますが、“愛情”の対極にあるものは“無関心”だとされています。 現役の中学生・高校生が、学校への期待感が『別にない』、『特にない』という場合には、彼らが、大人や学校にいだく感情に、憎しみや悲しみを通りすぎた、あきらめのような気持ちを感じずにはおられませんでした。 しかし、彼らは元々あきらめていたこどもであろうはずはなく、親や、学校の先生をはじめ、周囲の大人たちが彼らをあきらめさせたことは、20代になった彼らの回答を見ることで一目瞭然です。 特に、今回、学校の先生や職場の上司に感じる『保身』への若者の怒りの感情は、後年になっても相当に根強くあり、若者のトラウマになっていることを感じました。 そういう意味で、視線がこどもに向かず、外聞や世間体ばかりを気にする、保身の塊(かたまり)のような親や先生、上司に出会ったこどもでは、人生の大きな挫折を経験していると言えるでしょう。

しかし、『行く道を阻むもの』は、誰の人生にも必ずあります。 40代の半ばを過ぎた、わたし自身にも、常に『行く道を阻むもの』があったことを、若い人にも、知っていただきたいと願います。 ですが、どんな敵にも、どんな嫌な人間にも、必ず自分よりも優れた点があったことにいつか気づかされます。 そうやって人生を豊かにしていきます。 だから、誰かに阻まれたからといって、そこで自分を責め、『どうせ自分なんか、』と、心理的にひきこもってしまい、それが長期化して、眠れなくなったり、意欲が低下したり、勉強などの知的活動が低下したりして、二次的な症状が発生してしまい、次第に社会から孤立していくことがあってはならないのです。 そのためには、決して自分を責めないことです。 自分を責める自分に勝てる自分はいないのです。 環境を変えて再チャレンジの機会を探すことです。まず手始めに、これまでの人間関係とは異なる人と出会い、新しい人間関係を始めてみることを、是非、お勧めします。


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