受験期の栄養について

2010-12-12

外来でよく聞く受験生の悩みで多いものに、

(1) 勉強しても頭に入らない、成績が上がらない。

(2) 集中力がなくなった。

(3) イライラする。

(4) 朝がつらい。

(5) 疲れがとれない。

  などがあります。

このような悩みに対して、「脳の機能と栄養」 を考えて、次のようなアドバイスをしています。

まず(1)と(4)(5)については、鉄不足の症状ですので鉄の補給を勧めます。 体から鉄が失われると、体がだるくなり、疲れが抜けきれなくなります。 わかりやすい例では、これまで出来ていた深夜過ぎまでの勉強やテスト前日の徹夜ができなくなります。また、1~2時間机につくと眠気がさすのが特徴で、勉強の能率が悪くなり、テストの点数が伸び悩みます。

次に、(2)と(3)については、ビタミンB群の不足の症状ですので、十分に補います。ビタミンBはストレスと深い関わりがあり受験勉強には不可欠です。

(3)と(5)については、亜鉛不足の症状です。 亜鉛には脳の興奮を鎮める働きがあり、また体も元気になります。

(1)(2)に対しては、記憶力と集中力を高める、レシチンの補給が有効です。 レシチンは脳細胞と神経細胞に多く存在し、脳の働きを活性化させながら、しかも精神は安定させる働きがあります。 

同様に、(1)(2)に対して、イチョウ葉エキスも有効です。イチョウ葉エキスの生理作用は、血管拡張・血液流動性の改善・血液の改善で、記憶力をアップさせるので、認知症の治療にもよく使われます。

*最も大切なことですが、(1)~(5)の対策に関わりの深い栄養成分としてブドウ糖があります。 ブドウ糖は体全体のエネルギーの80%を供給し、特に脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源としており、体の20%が脳で消費されています。 このブドウ糖ですが、お菓子やジュース・パン・麺類・白米など精製穀物や加工品を日常的に摂取していると、血糖値の急激な上昇(グルコース・ミニスパイク)が起きやすくなり、頭が働かない、集中力がなくなる、物忘れがある、眠たいなどの症状がでてきます。 このような症状に当てはまる場合には、精製していない雑穀類を食事に取り入れるとよいでしょう。
 
以上は、栄養のことをよく知っている医師に相談されるとよいと思います。

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