小論文・面接試験②

2010-12-22

さて前回のコラムでは、わたしの体験から、面接担当官は受験生に対して100%ウエルカムの深層心理をもっていることをお話ししました。

では実際の面接で何が大きな分かれ目になっているかと言えば、それは、限られた短い時間のなかで受験生が面接担当官と信頼関係を創りあげられるか否かだと言えるでしょう。

例えば外科医でしたら、メスの握り方や使い方は教科書には載っていますが、実際は、先輩に手取り足取り習いながら覚えていきます。そのため後輩は先輩にかわいがられる自己像を意識の底で創ります。 つまり人間関係は医の根幹になります。

そのため、わたしの勤務した医大では面接官は受験生と心を通わせやすい端的な質問を用意していました。例えば、「部活動は何をしていましたか」、「友人について教えてください」が代表でしょう。
思春期に特有の喜怒哀楽のある学生生活を過ごしている子どもさんでは、このような質問に対してパッと顔が明るくなり、目が「もっと聞いて!先生!」と訴えてきます。 もちろん聞きますが、当然、歯切れよく、聞いていて気持ちよく、日頃の練習や交友の様子が浮かぶので、5点、つまり満点となります。 こうして双方のコミュニケーションが成立します。

ところが、日頃から仲間や友人など、いろいろなタイプの人間と付き合っていない子どもさんでは、「人間関係の中で他人に認められた」という成功体験に乏しいので、面接官に対しても自然に「関係ありません」「わたしに話しかけないでください」と目が語りだします。こうなると、本人は合格したい、面接官のほうも合格させたいと思っているのに、コミュニケーションが不調に終わります。

このように人生の大切な瞬間に、その人の日頃の習慣や人格が無意識にあらわれて結果を左右する現象を私たちはよく経験します。 特に運命を左右するような面接試験が人格試験とも呼ばれる由縁は、それが生活習慣の試験であり、行動の試験となるように構造化されたものだからです。

そのため、一見、遠回りにはなりますが、結果として、無意識の意識を変えることが面接試験への合格の早道になります。
例えば、部活動や寮生活は生活そのものがヒューマンスキルを高めますので人間性を高めるには打って付けでしょう。それがない子どもさんでも、窓ガラスやトイレの掃除は昔から今でも効果的な性格訓練法です。 トイレ掃除は、地べたから上を見上げるので相手の意図がわかるようになります。窓ガラス拭きは、心の曇りを払いのけ自分をイメージングするのに役立ちます。両方とも子どもの筋肉を強化するだけでなく、同時に心と体の掃除になります。

最後に子どもの人格に大きな影響を与えるものとして、何事にも感謝できる心を持つことでしょう。自分以外の方にも、どうか感謝して下さい。自分の家族に、職場の仲間に、学校の先生に、知り合いに、思い遣りの心と「ありがとう、ありがとう」の感謝の言葉を伝えるようにしてください。 その行動の積み重ねが、いつの間にか習慣となり、人格になり、試験の合格にもつながるのです。


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