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大分市 大在地区の心療内科/精神科(精神科専門医研修施設)

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負の連鎖を絶とう

 

学校の生徒や、職場の新人が、友人や先生、同僚、上司との人間関係につまずいて不適応を起こす原因はさまざまにあると思いますが、なにもこの現象は特別な子どもや家庭に起きているのではなく、現在では、どの子どもでも、どこの家庭でも “普通(ふつう)” に起きています。 

注意深く子どもの話を聞いていくと、学校不適応や職場不適応があるときには、その不適応は、すでに小学校4-5年生から家庭で始まっていることが多く、子ども側の要因よりは、むしろ、両親の側のコミュニケーションの不一致のほうにはるかに高い相関がうかがえます。
 
親や学校は、ともすれば、『こどもに問題がある』 と考えがちなのですが、わたしの知りうるかぎりで、子どものようすは親のレントゲン写真のように夫婦の関係を投影しているように見えます。 しかし、当事者の子どもと親には、なかなか自分たちの現状に気づきにくいものがあり、そうだとすると、周囲の誰にも、当然、手助けができない状態にあることが多くなります。 このことが家庭が社会的孤立を深める要因にもなっているのです。

さて、先進国のなかでも女性への差別や権利意識の低い日本では、夫が妻に従属を求めるあまり、母親がこどもの人生をしばるようになり、次に、こどもが母親の人生をしばる傾向があるといわれます。 実際に、一昨年、国連の女性差別撤廃委員会が、「日本の男女平等は世界からは大きく遅れており、女性の社会進出は先進国の最低である。女性差別をなくすための政府の対策や行動が何も示されていない、情報を提供せよ」 として日本政府に質問状を出したことは意外に知られていません。 海外ではコンビニでも置かれていますが、日本の書店に立ち寄っても、婦人のための啓発書や権利書は、ほとんど書棚に並んでいないのです。

学校不適応は、単に学校だけの問題というわけでなく、その後の職場不適応、離職率の高さ、結婚不適応、離婚率の高さと、潜在化と顕在化を繰り返しながら、子どもの人生の40代後半くらいまでは続くため、家庭と学校、地域、就労の場を巻き込んだ社会問題として考えておく必要がでています。 この負のスパイラルを絶つためには、根幹に女性の社会意識を高める教育が必要になるとわたしの外来では考えています。 

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