6月に行われた、日本精神神経学会でも取り上げられましたが、精神科医療における「ギフテッドの視点」は、とても大切になっており、従来の発達障害のグレーゾーンという表現からより「強み」や「選好性」に重点を置いた外来にシフトています。
従来、「発達のグレーゾーン」とか「自閉スペクトラム症」とか呼ばれていた
子供たちの3分の1以上が、特殊な能力に秀でた「ギフテッド」の可能性があります。
以前は、「ギフテッド」を「自閉スペクトラム症」と同じ解釈をする専門家も居ましたが、現在では、この2つは異なる概念です。
この「ギフテッド」の概念が生まれてから発達外来が一変しました。
その子の【得意の発見】が最大のテーマになったからです。
やたら絵が上手かったり、歌が上手かったり、コミュニケーション能力が素晴らしく高かったり、将棋が強かったりする。毛筆が上手かったり、ペットの世話が上手い、陶芸に異彩を発揮したり、染め物や木工細工、建具作りに異様な能力をもっている。最近では、ネイルやパティシエ(お菓子作り)に比類のない才能を発揮する若者がいます。
強みは1つか2つです。あとは押しなべて平均以下。日常生活能力が酷く劣ることも分かっています。野球選手だったら野球以外は何もできない。でも、得意を活かすと、すばらしい能力を発揮できます。
親や医師は本人が苦手な事を見つけてあげて、それを避けるようにもします。
ですので、多くの場合、標準化された教育が没個性になる可能性があり、無理をして学校に行かせるより通信教育だったり、専門職集団の養成所をみつけては、その進路も考える流れになっていきます。
長崎大学 精神科の熊崎教授は、ロボットやアンドロイドを用いたギフテッド支援を行っています。(※崎は「立つ」さき)