こころの不調は、1つの原因では説明できません
― 単純にしすぎない、という治療の考え方 ―
こころの不調について、
「これが原因です」
「この薬で治ります」
と言われると、少し安心する方も多いと思います。
原因がはっきりすれば、
あとはそれを取り除けばよい――
そう考えたくなるのは、とても自然なことです。
人のこころは、白か黒ではありません
けれども実際の人のこころは、
・ 生まれ持った気質
・ これまでの経験
・ 生活リズムや環境
・ 年齢や体力の変化
こうした たくさんの要素が重なり合って 成り立っています。
どれか1つだけを取り出して、
「これがすべての原因」と言い切ることは、実はとても難しいのです。
強く効かせるほど、別のところに負担が出ることもあります
こころの治療では、
・ 早く楽になる
・ 症状をはっきり消す
ことが求められる場面もあります。
ただ、効き目が強い治療ほど、
・ 眠気
・ ふらつき
・ 判断力の低下
・ 依存や反動
といった 別の負担 が出てくることも少なくありません。
「良くなったように見えるけれど、
どこかで無理がかかっている」
そんな状態になることもあります。
当院が大切にしている治療の考え方
当院では、
・ 1つの原因に決めつけない
・ 1つの症状だけを無理に消しにいかない
・ 全体が大きく崩れないこと
を大切にしています。
それは「控えめな治療」や
「消極的な治療」という意味ではありません。
長く、安全に、続けられる状態をつくるための治療設計です。
人生100年時代の治療として
人生が長くなった今、
治療も「短距離走」では続きません。
多少の波があっても、
・ 大きく崩れない
・ 日常生活が保てる
・ 安全が守られる
そんな状態を、長く維持することが、とても重要になっています。
不安や不調を「ゼロ」にしようとしない
不安や不眠を、
完全になくそうとすると、治療はかえって苦しくなります。
大切なのは、
・ 抱えながらも生活できる
・ 立て直せる
・ 戻ってこられる
そうした 現実的で無理のない安定 です。
最後に
人のこころは、たくさんの要素が重なってできています。
だからこそ治療も単純にしすぎないことが大切だと、私たちは考えています。
当院では、
安全を最優先に、人生100年時代の治療を、一緒に考えていきます。
ご不安な点がある場合は、院内窓口までご相談ください(個別の事案には守秘義務の範囲でご案内します)。
なお、ブログやSNS上での個別のご相談・個別事案への回答は行っておりません。