会議パニック①

2010-12-25

今日は、プレゼンテーション・パニック(会議&講演パニック)についてお話しします。

これは会議や講演など、大勢の人の前で話す際や、人の注目を浴びるような場面で起きる緊張症状で、よく相談を受けるものに、実際のプレゼンに際して 「声が震えます」「ドキドキします」「汗びっしょりになります」「声が詰まって言葉が出なくなります」 などが代表的です。

実は、これら一連の不安・緊張症状については薬剤での治療法がほぼ確立されており、だいたい、ご相談にこられたその日から症状は軽減しますのでご安心ください。

わたしの場合は、下痢や便秘など相談者の体調に応じて、長時間作用型の抗不安薬やアビリット、SSRI、イミプラミンを併用し、本番の会議やステージの30分前に、ベータ・ブロッカーや短時間作用型の安定剤を服用していただきます。そうすると、それまであった不安や緊張症状が驚くほど消失し、10人~20人のミーティングから、1,000人を超えるような講演やステージでも、よどみなく話すことができるようになります。 特にベータ・ブロッカーは眠気がささないため相談者に喜ばれます。

実際に薬での治療を試された方は、その効果に驚きますが、その後、医師-患者で親しくなり、お互いの経験を話し合うようになると、意外にも 「先生、わたしはこれまでスライドの作り方や、大勢の人の前での話し方を聞いたことがありませんでした。今日初めて知りました。」 と言われる方がずいぶん多いのです。

つまりプレゼンテーションについて、日本では系統的な授業や講義はまだまだ少ないようで、それを知っている人よりも、知らない人のほうが遥かに多く、ほとんどの方が予備知識を得ないうちにプレゼンテーションをまかされている現状があるようです。 そして、実は、知らないことが原因で、余計な不安や緊張を招いている可能性があるのです。

次回は、そのような視点から、少しでもお役に立てればと思い、わたしがプレゼンテーションをする際に、気を付けていることをお話ししたいと思います

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