自閉症とオキシトシン

2011-10-05

現在、自閉症を治すお薬や、自閉症の中核的な症状である社会性の障害やコミュニケーションの障害、限定された関心などに明らかな効果を持つ薬剤は開発されておりません。

そのため、自閉症に対する薬物療法は基本的には対症療法となり、自閉症の二次性障害と呼ばれる、パニック発作や不安、不眠、抑うつ気分に対しては、抗精神病薬や抗てんかん薬が用いられています。

そのなかで、最近、注目されているナチュラルホルモンにオキシトシンがあります。
オキシトシンは、対人関係や社会機能を向上させ、「他者への信頼」「共感性」「寛大さ」を増し、円滑な社会性に作用する可能性があることから、自閉症の治療薬になるのではないかと期待されています。

我が国でも、この春、金沢大学などで自閉症のある人たちへの実験的な投与が開始されており、社会性の改善、不安・恐怖の軽減、反復行動の改善などが報告され、自閉症の中核症状に有効である可能性が示唆されています。

* メモ~ オキシトシンはヒトの全身の臓器で生成され、その作用には子宮収縮、乳汁分泌、親子・母性行動などがあります。また副作用には文献的に血圧上昇、心拍数と心拍出量の増加、子宮収縮作用などがあります。
*Key Word  金沢大学 自閉症 オキシトシン

 

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