小児期に3つの行動特徴(不注意・衝動性・多動性)としてあらわれていたADHDも、
おとなになるにつれてその姿は変化していく。
個人差もあるが、おとなのADHDは、小児期に比べて多動性が弱まり、
不注意症状が目立つようになる。
おとなのADHDの代表的な日常症状をあげてみた。
(1) おとなの不注意症状
忘れものや、なくしものが多い
見通しや予測といった時間概念に乏しく遅刻が多い、納期や期限を守れない
物事の先延ばし傾向がみられ、優先順位をつけることが苦手
注意力の維持が困難でミスが多い、気が散りやすい
ひとつの仕事をやり遂げられない、すぐ次にいく傾向
計画どおりにできない
(2) おとなの衝動性を示す症状
仕事が続かず転職が多い
タバコやコーヒーを過剰に摂る、あるいは欲しがる
思いつきで行動をする、小旅行やレジャー
衝動的で無計画な買い物、特に趣味の道具やCDをすぐに買う、携帯電話の高額使用
周囲の刺激に敏感に反応し、一般に短気、江戸っ子気質
(3) おとなの多動性を示す症状
そわそわしていて、いつも忙しい、忙しいと言う
舌の多動がある、いつもしゃべっており、ひとの話を遮る
なんでも引き受ける、仕事を過剰に受ける、PTAの役員が代表
貧乏ゆすり、いつも携帯電話をいじっている
感情の起伏が激しく、イライラしているように見える
どうだろうか、部分的に当てはまるかたも多いと思うが、複数に該当する場合は
一度、自分と周囲との関係を振り返ってみるのもよいと思う。