春先になると、「気分が高ぶる」「活動的になる」といった変化が話題になりやすく、
双極性の軽躁状態との関連がよく知られています。
しかし、外来を丁寧にみていると、双極性ではない方にも、
春に特徴的な変化が現れることがあります。
その一つが、強迫性(こだわり・確認・不安の強まり)です。
春に増える「強迫性」の特徴
春になると、次のような訴えが増えることがあります。
① 仕事の手順や小さなミスが気になる
② 確認が増え、やり直しが多くなる
③ 体調や睡眠、生活リズムを過剰に気にする
④ 「このままで大丈夫だろうか」という漠然とした不安が強まる
これらは、気分が高揚するというより、
内側に緊張が高まり、頭が締め付けられているような状態です。
双極性(軽躁)との違い
春にみられる変化は、すべてが双極性とは限りません。
• 双極性の軽躁状態 → 気分が高まり、活動が広がり、睡眠欲求が下がる
• 春の強迫性 → 行動はできているが、柔軟性が下がり、不安やこだわりが増える
強迫性のかたは、動けてはいるものの、楽しい・解放的という感じが乏しく、疲れやすいのが特徴です。
なぜ、春先に強迫性が強まるのか
春は、生活や環境の変化が非常に多い季節です。
• 人事異動、役割の変化
• 新しい評価や期待
• 生活リズムの変化
• 周囲のスピードの変化
強迫性の傾向がある方は、「不確実な状況」に対して頭が過剰に反応しやすいため、
春の刺激が負担になりやすいのです。
これは病気が悪化したというより、環境への反応が一時的に強まっている状態と考えられます。
最後に
春に不安やこだわりが強くなったとしても、それは必ずしも「悪くなった」ということではありません。
多くの場合、環境の変化に真面目に対応しようとしているサインです。
当院では、治療効果だけでなく、日常生活の安全と安定を最優先に考えながら、この季節の変化と向き合っています。
気になる変化があれば、どうぞご相談ください。
ご不安な点がある場合は、院内窓口までご相談ください(個別の事案には守秘義務の範囲でご案内します)。
なお、ブログやSNS上での個別のご相談・個別事案への回答は行っておりません。