対人関係・人間関係の障がい

2009-08-09

最近の初診で外来にお越しいただく患者さんの相当数が、学校や職場、あるいは家庭内の人間関係の難しさや対人関係の問題、コミュニケーションの困難さを抱えておいでになります。この現象は医学の専門用語で適応(てきおう)障がいとよびますが、その根底には、その人の幼児期からのどこかで両親に人間不信があることが知られています。

開業以来、患者さんの生の声にもっと耳を傾けようと思い面談時間をかなり長めにしていますが、それでも、患者さんの素直な声と「叫び」を整理するには、まだまだ時間が必要な状態があります。特に、改善の出口をみつけるために、患者さんの学校や職場、家庭での行動を観察する必要があるのですが、それには家族と職場・学校のベクトルを揃えておくことが大切になっています。

わたしたちの生活する日本の社会は、同質性や集団優先を原則としているために、
人との付き合いやコミュニケーションの苦手な人は、たとえ真面目であっても、自然と存在感が薄くなり集団から孤立する傾向があります。そのために、集団に受け入れてもらえない子供や大人、家族の構成員が増えています。このようなことから日本社会のいたるところで、学校不適応・職場不適応・家庭不適応・地域不適応が増加する可能性があります。
総じて集団不適応(しゅうだんふてきおう)という語句でわたしたちはこの社会現象を表現しています。

集団不適応は、不思議な社会現象で、早いこどもで小学3-4年生、通常は中学・高校で不適応を示したこどもや、たとえ高校・大学では顕在化しなくても潜在的に集団不適応の素養のあるこどもは、就職後に職場不適応を起こしやすく、さらに結婚後の家庭生活でも不適応を起こしやすい傾向が観察されます。 そのため、中学・高校時代に、しっかりとこの発症メカニズムを理解し治療しておく必要があるのです。

集団不適応については、学校法人稲葉学園 竹田南高等学校に、改善と出口のノウハウが蓄積されていますので、こどもの学校問題でお困りの方は、同校に問い合わせてみるのが良いでしょう。(クリニックのリンク先をご覧になってください) わたしのクリニックでは、学校はもとより職場や家庭での人間関係や対人関係のご相談も受け付けています。

さて最近、いただいた質問で中学・高校生で、1人で先生に相談したいのだけど、どうしたら先生と会えるかわからないという方は、こちらは予約なしでも結構ですので土曜日においでいただくのがよいと思います。

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