幸福な人間をつくる

2019-04-13

カテゴリー: 院長インタビュー

聞き手
聞き手

「人からの評価が気になる」「人の目が気になる」っていうのは、どういう心のメカニズムなのでしょうか?


院長
院長

「他人の心」のように「自分の力でコントロールできないものに注視する」傾向は、完璧主義の一つの現れだと考えられます。
全てが自分の思うようにならないと、「気が済まない」という事ですから。
人は楽観的な時には、自分の意志や力でコントロールできるものに注目しますが、悲観的な感情に襲われると、
自分の力ではコントロールできないものにまで焦点を合わせる傾向が出てきます。
これを世間では、「抱え込みすぎ」と表現します。


聞き手
聞き手

ということは、「人からの評価が気になる」「人の目が気になる」という事はあまり良いことではないんですよね。


院長
院長

そうですね。
簡単に言うと、「思うようにならない他人が気になる」という事ですから、
今の時代に即して言えば、「気を遣い過ぎて、生き残るのが困難」になると思います。


聞き手
聞き手

どのように不利なのでしょうか?


院長
院長

「他人が気になる」という人は、人からの評価で自己肯定感を得ている事になります。
現代の様に、人と人とのつながりが寸断化された時代には、他者との関わりの中で、自分を確認したり安心したりする事が、難しい時代になっています。


聞き手
聞き手

例えば、「信頼感」という言葉がありますよね。


院長
院長

はい。信頼感は、自分と他者との関係で作られます。
職場に時間があり、社会の変化がゆっくりだった時代(1980年代までの日本)には、職場で雑談をしたり、帰りにちょっと一杯飲みに行ったりして、人と人との信頼感を高めることが出来たでしょう。しかし、最近のように、時間が限られた時代には職場でも学校でも「信頼感」「絆」を作るのが困難になっています。


聞き手
聞き手

「幸福感」という概念は、どのようなものでしょうか?


院長
院長

「幸福感」とは、自分自身で作ることが可能です。
そして、日々自分と向き合う作業の中で幸福な自己像を作る事が出来ます。
例えば、「夜寝る前30分が幸福な人」は大体、「その日1日が幸せだった人」と考えられます。
幸福感が低い人は、概ね、行き当たりばったり一日を過ごしているので、「あー疲れた…」とか「反省の言葉」で一日を終えると思います。
ですので、寝る前30分をとびっきり幸せで、居心地抜群の自分の時間にすれば良いわけです。


聞き手
聞き手

という事は、人との関わり合いで作られる信頼感よりも、自分との自問自答の中で作ることが可能な幸福感の方が、精神的な安定に結び付きやすいのですね。


院長
院長

はい、そういう時代だと私は思います。
対人関係で一喜一憂しない人になっておくほうが、安定した学校・職場人生を送れると思うのです。

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