パニックの後遺症

2020-11-17

胸がドキドキするパニック発作は、再発性の高い疾患で、断薬をして1年~7年後に高い確率で再発します。
再発には大きく分けて二通りあり、一つが、「広場恐怖症」としての再発。
さらに進行すると「非定型うつ病(新型うつ病)」として再発するようになります。

広場恐怖の特徴は、以下の通りです。

・予期不安・・・「またおきるのではないか?」という漠然とした不安。
・回避行動・・・予期不安に駆られて、その場から逃げること。
※パニック発作は、必ずしも伴いません。

 

非定型うつ病の特徴は、以下の通りです。

・拒絶過敏性・・・(こちらのブログをご覧ください)
・外罰性・・・「学校のせい」「職場のせい」「病院のせい」「先生のせい」にする。
・過食・・・夕食後に、更に食べます。特に甘いもの。
・鉛のような体の重さ・・・特に月曜日が重い。
・休日や祝日は元気で症状が消える・・・環境や条件によって症状が左右されます。

外来では、パニック症⇒広場恐怖⇒非定型うつ病の順で進行する例が大半ですが、
実際は、広場恐怖とパニック症は別々の疾患で、好発年齢は、広場恐怖症の方がパニック症よりも早いことが明らかになっています。

更に、これに発達障害や双極性障害が重なっている事が多く、複雑で、リストカットをしたり、過量服薬をしたり、解離(別人格)をおこしたり、大声をだしたり喚いたりと、家庭では対応困難な事例が多くなります。途中から家に引きこもるようになり、相談に来られて診断がつく例が多いのですが、一番苦しんでいるのは本人です。ぜひ、早めに助けてあげましょう。

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